北朝鮮が非常に不安要素になってきている今日この頃、Xデーも近いのではないかと囁かれている。
さて、北朝鮮は核を保有している。同時に発射できるミサイルは50にも及ぶのだとか。もし仮に50のミサイルが一気に日本に向かって降り注いできたらどうなるのか。数学的に見ていこう。
ミサイル迎撃システム
まず、日本がどのようにミサイルを迎撃できるか、その仕組みが重要である。
日本のミサイル防衛は2段階に分かれており、1段階目は海上自衛隊イージス艦による迎撃、2段階目は航空自衛隊のペトリオットPAC-3による迎撃である。(参照:防衛省・自衛隊|平成27年版防衛白書|3 弾道ミサイル攻撃などへの対応)
よってミサイルを防ぐ方法としてこの2種類のみを考える。
ミサイル迎撃精度
イージス艦から発射されるSM-3の精度は、2002年から2015年で実験回数37回中成功回数が33回(約89.2%)。
PAC-3の精度は、実戦を想定した時、実験回数35回中迎撃成功が29回(約82.9%)となっている。
(参照:【軍事ワールド】〝無法〟北朝鮮の弾道ミサイル、打ち落とせるのか!…「SM-3」迎撃ミサイルの命中率 - 産経WEST)
日本に核が降り注ぐ可能性は?
もしも仮に50発のミサイルが同時に来た場合、日本にミサイルが落ちる可能性はどれくらいだろう。
ミサイルが1発だけだったら
まずはミサイルが1発だけの時をみていく。SM-3"または"PAC-3が迎撃に成功する確率を求めれば良い。この確率の余事象は双方とも迎撃に失敗する確率である。
両迎撃システムが失敗する可能性は、
(SM-3が失敗する可能性)(PAC-3が失敗する可能性)
約1.85%だとわかった。
つまり迎撃成功確率は
約98.1%である。
ミサイルが50発だったら
ミサイルが50発一気に降って来たらどうなるのか。全弾迎撃成功する確率は、1発のミサイルの迎撃成功確率の50乗、つまり
約39.2%だ。
1発に対してはあんなにも精度が高かったのに、50発来たらこんなにも頼りなくなってしまう。まあ簡単に言ってしまえば半分以上の確率で、多くの死者を出してしまうということである。
まとめ
50%以上の確率で着弾する可能性があるというのは驚きだった。しかもこれはあくまでも仮説的なものであり、実際はもっと精度が下がるだろう。自衛隊の指令がどのように行われているかはよく知らないが、50のミサイルに対して同時に指示が出せるのだろうか。50のミサイルに対して50の迎撃ミサイルが正常に打ち出せるのだろうか(ちゃんとしたソースは見つからなかったが、SM-3は4隻ある搭載艦各艦に8弾ずつ搭載とのこと+アメリカの迎撃ミサイル)。精度が近年さらに向上している可能性もあるものの、非常に多くの疑問が残る。何れにしてもシステムに100パーセントなど存在しない、という事実だけで不安は残る。